離乳食の中でも、早い段階で使い始める「かつおだし」。
普段から自分でだしを取っている場合、「このだしをそのまま赤ちゃんにあげても大丈夫なのかな?」と疑問に思いませんか?
大人用に作っただしと離乳食用のだしの濃さの違いや、塩分についてなどの疑問についてまとめました。
離乳食のかつおだしの濃さは大人用と違う?レシピを比較してみた!
大人用と離乳食用のだしの濃さに違いはあるのでしょうか?
なんとなく離乳食用のだしの方が薄く作られているのではと想像しますが、実際はどうなんでしょう。
調べてみると、いろいろな配合のレシピがありますが、例として以下のレシピを取り上げて、比較してみたいと思います。
離乳食用のレシピの例は、以下になります。
次に、大人用のかつおだしのレシピも調べてみました。
花かつお…20g
水…700ml水に対する鰹節の割合は、5%でした。
かつおぶし…20g
水…1L水に対する鰹節の割合は、2%でした。
こうしてみると、いろいろな配合のレシピがあって、結構ばらつきがありますね!
一般的なかつおだしのレシピは、離乳食用に比べて、いくらか濃いめのものが多い印象です。
おいしいと感じる風味は人それぞれなので、様々なレシピがあるのも自然なことかもしれませんね^^
離乳食のかつおだしは薄める必要がある?
大人用のかつおだしを離乳食に使う場合、薄める必要があるのでしょうか?
先程のデータをみると、普段作っているレシピの濃さに左右される可能性があることがわかります。
このざっくりしたデータ上での話になりますが、普段からしっかり味の「水に対する鰹節の割合が8%」のおだしをつかっているのなら、薄めたほうがいいと思います。
『だし工房宗達』のレシピのように、2%であれば、そのまま使っても大丈夫と思えますし。
離乳食用のレシピが2.5~3%なので、3%におさえておいたら、大人用をそのまま使っても安心かなと個人的には判断します。
自分の作っているかつおぶしの割合を計算して、3%より多いようならちょっと薄めたり調節したほうが安心ですね。
あれこれ考えるのが面倒なら、離乳食用のかつおだしを作り、小分け冷凍しておくほうが早いかもしれません^^
大人と同じものを食べるようになると、自然と塩分摂取が増えてしまいます。
そのため、離乳食の時期には、ちょっと薄いかなと感じられる味付けに慣らしておく方が、今後の健康管理がしやすいですよ。
離乳食のかつおだしの塩分ってどれ位気にした方がいいの?
上では、ざっくりとした目安を確認しましたが、実際、かつおだしの塩分ってどの位気にした方がいいのかなと疑問に思いますよね。
そのあたりを厚生労働省の資料で確認してみたいと思います。
厚生労働省『「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書』
参考資料1 対象特性 乳児・小児「表3 乳児の食事摂取基準(再掲)」から、食塩相当量 (目安量)を抜粋
0~5か月 0.3g/日
6~11か月 1.5g/日
以上のような基準が設定されていることがわかりました。
この基準と食品成分表のデータを元に、分析してみます。
食品成分表に、かつおだしのデータが記載されています。
このかつおだしについては、文部科学省の資料「食品群別留意点」に以下のように説明があります。
「かつおだし」の成分値は、沸騰水に対し3 %のかつおの削り節を加え、
再沸騰から1分後に火を止め、削り節が沈んだ後、
布でこして得られただしの分析値に基づき決定した。
水に対する鰹節の割合は、3%と記載がありますね。
そのかつおだしの塩分量は、以下になります。
かつおだし100g(=100cc)あたりの食塩相当量:0.1g
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)【PDF】」より抜粋。
念のためになりますが、このかつおだしというのは、かつおぶしだけでとっただしの事で、沢山の塩分が含まれた市販の顆粒だしではありません。
以上を前提として、離乳食の時期ごとに、説明します。
ゴックン期(5~6か月)
5~6か月のゴックン期は、離乳食1日1回で、だしを使用したとしても、小さじ1~2(5~10cc)位です。
目安量を5か月までの0.3g/日としても、塩分は0.01gなので、目安量へは届きません。
モグモグ期(7~8か月)
7~8か月のモグモグ期は、離乳食1日2回で だしを1食分で大さじ1~2(15~30cc)程度使用します。
仮に2回ともだしを使用したおかずを与えたとして、大さじ4(60㏄)。
目安量が1.5g/日なので、塩分0.06gなら目安量まで余裕があります。
モグモグ期になると、ピザ用チーズなど塩分を含む他の食材を使うことも増えてきます。
そのため、塩分を取りすぎないように意識することは必要にはなってきますが、それが適切にできれば目安量の範囲で収まります。
カミカミ期(9~11か月)
9~11か月のカミカミ期は、離乳食1日3回です。
食事が一回増えるので、塩分の摂取が増えるかもと気になるかもしれませんが、食べられるものも増えてきます。
仮に、3食にだしを使用したとすると、大さじ6(90cc)。
使用量は、塩分0.09gになります。
食材のバリエーションが増え、だし自体の使用がそれほど増えるというわけでもないので、あまり神経質にならなくてもいいかなと思います。
パクパク期(1才~1才6か月)
1才~1才6か月のパクパク期は、離乳食が完了し幼児食へ移行していく時期です。
このころの食塩相当量 (目標量)は以下になります。
厚生労働省『「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書』
参考資料1 対象特性 乳児・小児「表 5 小児(1~2 歳)の食事摂取基準(再掲)」から抜粋
食塩相当量 (目標量)
男子:3.0g/日 未満 女子:3.5g/日 未満
この時期から小児となり、目安量から目標量という基準に代わります。
今までと同じように塩分の摂りすぎに注意は必要ですが、ちょっと基準が緩和された印象ですね。
これくらいになると、薄味に気を付け、塩分の多いものを過剰にとらせないように気をつければ、神経質にならなくてもよくなりますね。
「離乳食のかつおだしの塩分ってどれ位気にした方がいいの?」のまとめ
各時期ごとの分析をみてみると、かつおだしに含まれる塩分に関しては、過剰に心配する必要はないと感じます。
食品成分表のだしは、離乳食でも使用できる範囲の塩分ですし。
むしろ、食品のバリエーションが増えてきた頃の、その他の食材の塩分を少し気にかけたほうがいいかもしれません。
ちょっとチーズ入れすぎたかなと思った時に子供がよく食べたり、味がしっかりついたものは反応が良かったりします^^
完了期までくると、油断からか無意識のうちに、つい大人の感覚で入れてしまうこともありますので、そちらを意識した方が塩分の調整はしやすいと思います。
また、かつおぶしにふくまれる栄養素の1つのカリウムは、ナトリウム(塩分の成分)を尿と一緒に体の外へ排出してくれます。
そういうしくみもあるので、かつおだしの塩分に関しては、あまり気にしないで風味付けとして上手に利用しましょう。
まとめ
離乳食に使うかつおだしの濃さは、離乳食用のレシピを参考に、赤ちゃんに最適な濃度を意識してみてくださいね。
そうすれば、かつおだし自体の塩分を心配することなく、赤ちゃんに安心して与えられますよ。