年長の娘の先取り学習をはじめてしばらくした頃、どのように子供に勉強を教えたらいいのか迷いがでてきました。
家庭学習をする上で押さえておくべきことを知りたくなり、その指針になりそうな本を探した時に見つけたのが、↓この本です。
この本は、先取り学習ではなく、復習・反復を勧めているのですが、基本的な考え方が参考になります。
また、小学校での学習の現状も把握できます。
どんな点が参考になっているのかや感想レビューをまとめました。
本『本物の家庭学習』で小学生への勉強の教え方を学ぶ理由
先取り学習を進めていく場合、子どもが学校で学ぶより前に、教えないといけない必要がでてきます。
我が家の場合、年長の4月から『幼児ポピーあおどり』
年長の8月から『スマイルゼミ幼児コース(年長)』
を始めています。
基本の先取り学習は、この2つです。
しかし、この2つの学習は、親がつきっきりで確認しているわけではないので、理解度が分かりにくい部分があります。
そこを補うために、スモールステップで進めていくドリルも活用しています。
中でも、私が特に意識しているのは、‟算数を苦手科目にしないこと”です。
順調に学習が進めば、ポピーやスマイルゼミの進度より先に学習を進めたい場合もでてきます。
そうなると、親がどう学習を進めていくのかを決めなければいけません。
ここで、まず算数をどう教えるかに迷ってしまったんです。
「算数に苦手意識を持たせないために、どう教えるか」
もちろん、国語の読解力も大事なのですが、一旦それは置いておきます。
ひとまず、算数の教え方、どこをポイントに教えていくか、どこを押さえておくかなどの道しるべが欲しくなりました。
先取り学習だろうが、復習だろうが、家で子どもの学習をみるのなら、結局どう教えるのがベストかという問題は常にあります。
そして、9歳の壁や10歳の壁、小4の壁などと言われる学習の難しくなるタイミングを上手に乗り越えられるよう、小学校の学習全体を把握しておきたいと考えました。
そのようなきっかけで、この本を読むことにしました。
本『本物の家庭学習』の参考になる点や感想レビュー
この本には、参考になる点や再確認しておきたい点、心構えとして必要なことなど、多くの知っておきたいことが詰まっています。
それらの中でも特に、早めに知っておいてよかったことや感想などをまとめました。
小学生の勉強の現実や問題点がわかる
著書の杉渕鐵良(すぎぶちてつよし)氏は、東京都の公立小学校で35年間の教師経験がある方です(著書執筆時)。
子どもの全力を引き出し、ひとりも落ちこぼれさせないことをモットーに行う教育実践から、「教育の鉄人」と呼ばれています。
そんな著者の指摘する現実や問題点に引き込まれました。
表紙の折り返した部分から、それは垣間見えます。
これを見て、やっぱり…と思いました。
小学校の学習を調べるにつれ、「学習が定着しないまま進級して、特に算数が分からない子がでてくる」という指摘を何度も見たからです。
著者がこう断言する理由を知りたくて読み進めると、以下のような内容が書かれています。
- 各学年の学習内容を全てマスターして進級する方が少数派
- 学習進度が早くなっているため、授業がかけ足で進む
分数は昔は3年生からだったのが、今は2年生
時計の読み方も2年生から、今は1年生で習う。
また、2020年度から、英語やプログラミングの授業も導入される。
それだけ、1年間に学ぶ量が増えている。
⇒消化しきれない子が出てくるのは当然。 - 通知表はあてにならない
通知表は、子どもの習熟度を確実にみられるものではない - 習ったことが完全に定着しているかが大事
- 授業はカリキュラムの消化でせいいっぱいで、反復が圧倒的に足りない
- 親こそ、個別の家庭教師になれる
- 「できない」ことに焦らない
- 宿題は万能ではありません
これは、抜粋のほんの一部ですが、小学校での学習の現状が見えてきます。
そして、家庭で子どもにあった学習に導くのは、親の役目だと思い知りました。
私は団塊ジュニア世代に近い世代ですが、小学生の頃の勉強が大変だった記憶はないです。
田舎ののびのび小学校だったからかもしれません。
だから、普通にやってれば、ある程度子どももできるだろうとたかをくくっていました。
しかし、当時は、土曜の午前中は登校していたし、比較すると、今は授業時間自体が減っています。
その上、英語やプログラミングが入ってくるのだから、勉強することも増えています。
1年分の授業をきちんと理解して進級する子が少数派というのなら、これは、心して家庭学習に取り組ませなければと危機感を覚えました。
でも、この本は、どのように子供の学習と向き合うかの心構えも教えてくれています。
年長の間に、この本に出会えてよかったです。
小学校の学習は、生きていく上での最低限の教養だと思うので、とりこぼしのないよう向き合わなければと心に刻むきっかけになりました。
小学校6年間の学習の見通しが明確になる
この本には、各学年の学習の見通しが説明されています。
- 1年生…学習習慣をつける1年
- 2年生…算数は九九がハイライト、漢字は倍に
- 3年生…理科・社会が加わり、抽象度もあがる
- 4年生…学力差がはっきりする時期
- 5・6年生…中学校を見据えた内容に
各学年ごとに、各教科のポイントを紹介しています。
もしかしたら、2020年度の学習指導要領改訂で、多少の変化があるかもしれません。
私が持っている本は、”2017年11月28日第一刷”版です。
とはいえ、ざっくりとどういう風に認識しておいたらいいかは参考になります。
ちょっと先を確認することで、1年生・2年生の学習が大事ということが身にしみるので、目を通しておくのはプラスだと思います。
算数・国語・理科・社会の各科目ごとの家庭学習の仕方がわかる
全体の話が終わったら、各科目ごとの学習ポイントや教え方などが、詳細に説明されています。
ここでは、算数について大まかに紹介します。
- 学年ごとの学習内容とポイント
小学校の算数は、「数の概念」「計算」「量と測定」「図形」の4つ
3年までの四則計算(たし算・ひき算・かけ算・わり算)を徹底的に - 「数の概念」は、ゲームや買い物で身につける
- 「たし算・ひき算」は「20までの合成分解」がカギ
- 「かけ算・わり算」は同時にマスター
- 「分数・小数」は1年生から教えてしまう
- 「文章問題」は声に出して読むのがポイント
- 「量と測定」は身の回りのもので、長さや重さを体感
- 「図形」は直感的にわかるセンスを遊びで養う
私は、算数の教え方を迷ってこの本にたどり着いたので、具体的な勉強方法が提示されていて、とても参考になりました。
特にくり上がり、くり下がりを理解させるために、10までの合成分解をしっかり理解させること。
そのためにカードを用いる方法などは、早めにやってみたいと思いました。
10までの合成分解を身に付けたら、20までの合成分解に取り組むなど、順序立てて説明されています。
シンプルな独自の教材の例も紹介されているので、簡単に取り入れられそうです。
さいごに
「小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭学習」の感想レビューでした。
この本を読むと、小学校の学習における親の役割は大きい…と改めて感じました。
学習習慣をつけること、低学年でしっかりした基礎力をつけておくことがいかに大事か…。
やってみないとわからないことも多いですが、この本にある、親の心構えも参考にしながら、実践していこうと思います。